たまがわ No.158 2022.7.1
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玉の肌石鹸株式会社東京都墨田区緑3-8-12 電話番号:03-3634-1345https://tamanohada.co.jp/ 教育熱心なお母様に育てられたとおっしゃる三木さん。玉川を受験したものの、強く玉川への入学を希望されたお母様が、巻紙で小原國芳先生に入学させたいと嘆願書を送られたところ、すぐに國芳先生からも巻紙で返信があったそうです。無事に入学した玉川での学生生活は「たいへん楽しかった。毎週の國芳先生の講話は、どんなお話しが聴けるのか楽しみで、前夜は嬉しくて、うれしくて」とにこやかに話されます。 卒業と同時にお父様経営の玉の肌石鹸に入社した当時、石鹸会社は全国に何百件もあったそうで、玉の肌石鹸は倒産寸前だったとか。飛び込みの営業をしながら、洗剤そのものよりボトルの方が高い、と詰め替え用洗剤の量り売りを思いついて団地などをまわったそうですが、人手が必要なことから、薄いフィルムの詰め替え洗剤を考案。詰め替え商品は大ヒットととなり、その後も化学由来製品で製造されていた石鹸を、自然に戻る動植物油脂に切り替えるなど無添加商品を開発されました。今では当たり前となった詰め替え洗剤や、無添加製品を60年も前に取り組んで消費者に届けるなど三木さんの先見の明で会社経営も安定。「中小企業は大手企業を見習うより、大手企業がやらないことをやろう。数字だけが結果ではなく、消費者が求め納得する製品を提供することで売り上げがあがります」と三木さん。 「『Try and Error』試行錯誤ですが、成功したときの喜びはかけがえのないものです。若い人は夢を持つことが大切。どう進むか。人間は生まれた時から自分中心であり、自分がかわいいことが働く原動力になっている。そしていずれ死がある。どういう死に方をするかはどう生きるかに1963年 玉の肌石鹸株式会社入社1973年 同社 代表取締役専務1986年 ミヨシ株式会社 代表取締役社長1990年 玉の肌石鹸株式会社 代表取締役社長2022年 代表はご子息に譲られて会長職になった現在     も毎日、出勤されているそうです。化粧石鹸やハンドソープ、シャンプー、リンスなどの石鹸を製造販売ならびに研究開発する会社を経営する三木さん。両国の本社をお訪ねいたしました。つながっています」と人生経験を経てきた大先輩の言葉は重みがあります。 「小原國芳先生が一番大事にした言葉は『夢』なんですよ。若い人にとって一番大切なのは夢を持つこと。その夢にむかってどう進んでいくか。別の言葉で言えば『志』とも言えるね。いろいろな事を学ぶことが必要です。歳を重ねることで変わっていかなければならないこともありますが、人に役立つ生き方をすることが大切な生き方。人を大切にすることを心がければ良い人生が送れる。それは経営の基本でもあります。皆が右と言ったら左に進むように発想を変えないといけません」辛く厳しい状況の時に救われたのは、中学生の時に自由学園で出会った聖書の言葉でしたと『広い門を入るのはほろびの道を行く。狭い門は命に至るもの』聖句をあげられました。 音楽を愛する三木さんは、両国にある本社の社員クラブに歴史あるピアノと自動演奏付きオルガン、ディスク・オルゴールが備えられ、ご自身でオルガンを演奏されることもあるようです。◀︎鯛の形をした石鹸はお祝いのお返しにも最適です。球体の石鹸はラベンダーや ▶ ローズ等6種類あります。6我ら玉川っ子 │ 活躍する卒業生三木 晴雄さん (文学部英米文学科 1963年卒業) Haruo Miki玉の石鹸株式会社 会長広い門を入るのはほろびの道を行く。狭い門は命に至るもの

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