たまがわ No.157 2021.7.1
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国づくりのため、モノづくりだけでなく、人づくりもして   いきたい。お年寄りも子どもも、働いている現場も、みんなが共に喜んでくれる環境を作っていきたい。 今プラスチックに対する風当たりは強い。世界基準のパッ   ケージ、新素材の開発、ニーズにあったモノづくりを提案していきたい。 これからも兄弟仲良く協力して仕事をしていきたい。あとは、  社員と社員の家族が幸せに暮らせることが望み。大船渡工場の被災の経験があったので、それはいつも強く願っています。(大学院農学研究科資源生物学専攻 修士課程 1994年卒)yoshida-tw.co.jpyoshida-group.co.jp3兄弟揃って玉川っ子の長男の吉田重雄さん、次男の治喜さん、三男の雄三さんのご兄弟を取材させていただきました。お祖父様が創業されたプラスチック製造業を、お父様、そして現在3代目として毛利元就の「3本の矢」のごとく、3兄弟で力を合わせ、受け継いでいらっしゃいます。吉田家はご兄弟の他に重雄さんの奥様とお子さん、雄三さんの奥様とお子さん、いとこさんと併せて10人が玉川っ子というご家族です。玉川教育の思い出や、今それが仕事にどう活かされているか、これからの夢を伺いました。吉田コスメワークス株式会社 社長 吉田プラ工業株式会社 社長祖父吉田重喜氏が1946年にプラスチック製造業の吉田工業株式会社を創業。資生堂にプラスチックで生産したコンパクトケースを納品する。創業以来、プラスチック化粧品容器を生産。化粧品容器(コンパクト・ボトル・ジャー・チューブ等)の生産は80年近くに及び、特に、「コンパクトのYOSHIDA」として世界中の化粧品メーカーから認知され、業界で確固たる地位を築いている。現在、資生堂に勤めていた雄三氏が会社へ入り、お父様のあとを継ぎ社長となる。▲吉田プラ工業資料室にて(墨田区立花) 左から 雄三さん、治喜さん、重雄さん幼少の頃、お母様のゆか里さんと ▶お母様は毎日3人分のお弁当を作って学校へ送り出してくれました6 長男の進学先として、担任の先生から玉川学園を勧められ、両親が玉川の丘を訪ねました。すれ違う生徒たちの明るい挨拶や讃美歌の歌声に良い印象を持って、その当時創立者の國芳先生が現役でおられたことにも魅力を感じたそうです。長男は中学部、三男は小学部を同時に受験して、次男はその後小学部の編入試験を受け、3兄弟全員が玉川へ通うことになりました。 玉川教育の中でいろいろな経験を10代で体験できたことが、大人になってゆく過程の中で、様々な人たちとの出会いや交友関係の幅を広げてくれたと思います。礼拝の時間を持ったり、混声四部合唱でヘンデルやベートーヴェンを歌ったり、一流のオーケストラやオペラ、ミュージカル、歌舞伎の鑑賞、清風園(特別養護老人ホーム)を訪ね交流をしたことも思い出です。一方で豚の世話をしたり、ねりスコでセメントをこねたり、土俵とやぐらを作ったり、オクラや枝豆を育てて収穫したりなどいろいろな体験をしました。 中学部で体験した“個別学習”は、「一人で考えて、計画して、実行していく」という、仕事やものごとの進め方に、深い影響を与えていると思います。特に社長業は、一人で考えて進めなければならない局面が多いので、あの経験は重要だったと思います。また、 “自由研究”で坂本光先生のもとで学んだ経験が、人生の土台となっています。きちっと計画を立てて、コツコツと積上げていくことの大切さや、行き詰まった時、打開するための発想の仕方だとか、仕事を進めていく上でのベースになっています。うちの会社は2011年の東日本大震災の津波で大船渡にある工場が壊滅的な被害を受けましたが、あきらめずにねばり強く復興させていく時の力になったと確信しています。 ご長男の重雄さん曰く、兄弟は仲が良いと思っている(笑)同じ環境で育っているのが大きいのかな。弟さんお二人からみたお兄様の性格は?とにかく責任感が強い。頑固(笑)。 取材を通して感じたのは、お互いを思いやる心。何に対しても前向きで、周りの幸せを一番に願う姿でした。それは代々吉田家に受け継がれる志で、これからも受け継がれていくものだろうと感じました。吉田家10名の玉川っ子のみなさんの活躍をこれからも楽しみにしています。我ら玉川っ子 │ 活躍する卒業生3兄弟玉川へ通う重雄さんの玉川での思い出と今に活かされていること会社の概要とこれからの夢吉田 重雄さん (工学部情報通信工学科 1986年卒)吉田テクノワークス株式会社 社長 化粧品容器に次ぐ、第2の事業の柱として立ち上げた電機製品分野の売上が大きくなった2004年に、吉田プラ工業(当時2代目のお父様繼雄氏が社長)と吉田テクノワークスに分社。テクノワークスを任され社長となる。以来、国内大手電機メーカーの携帯電話、スマートフォンのプラスチック筐体を数多く生産。現在では、車載のCID(センター・インフォーメーション・ディスプレイ)や、電子タバコの筐体他、高い技術製品を生産している。最後にご兄弟について吉田 治喜さん (工学部情報通信工学科 1991年卒)静岡吉田工業株式会社 社長、株式会社日伸 社長プラスチック化粧品容器を生産するグループ内中核工場の社長を務めるほか、株式会社日伸を立ち上げ新たな分野へ進出。高齢者向け住宅などを企画している。西船橋の施設は、高齢者向けの住居と同じ敷地内に、保育園や学習塾を併設するなど、ユニークな企画で運営している会社である。吉田 雄三さん

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