たまがわ No.158 2022.7.1
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学友会70周年の取り組みについて教えてください。2029年の玉川学園100周年に向けてどのようなVisionをお持ちですか。学長 大事なのは長期的なVisionを持ち続けること。原点からある全人教育の実践。その他、個性尊重、国際教育など。12の教育信条はオヤジさん、キリストの12の弟子に合わせて12にしたのではないかと思うくらい、あの計画、この計画と膨らんだのも玉川の特徴だろうと思います。むしろ当然なのかなという気もするし、12の教育信条、長期的なVisionをいかに進めていくかです。合わせて考えなくてはいけないのは、ハード面です。校舎の耐震基準と対応年数を考えなければならない。同時にそこで行われる教育をどのようなものにしたいか。新しい「学び」のスタイルと、新しい「教え」のスタイルをどう変化させていくかを見据えて校舎建築を考えていかなければなりません。どういう環境でどういう場所で、どういう手法で長期計画を推進していくのか。一方、90年を超えている礼拝堂、学校の歴史でもある教育博物館の改修も考えています。日本の文化を大切にしなければいけないし、海外からくる学生が日本で2029年100周年に向けて玉川学園と学友会の理想のかたちをどのように描いていますか。会長 玉川ブランドという言葉は、以前から芳明先生が使っていらして研究されていたかと思います。4月1日の全学教職員の集いで、私もお話させていただきましたが、芳明先生がおっしゃったように、まさに原点に立ち返ってそこから過去と今との「違い」を埋めていく。そういうのが100周年にむけての先生のお考えと想像しますけれども、学友会と玉川学園を考えた場合は、僕はただ一つ。「卒業生がブランドそのもの」という考え方。國芳先生が礼拝のときに玉川っ子ぞ!私は玉川の学生です。玉川の卒業生です。ということを胸張って言えと常におっしゃっていたことが、100周年のときにどれだけ実現できるか。学友会がオール玉川の考え方でやっていく以上は、卒業生であるという情報発信をしてもらいたい。在学生に対してこんな方たちも保護者にいらしたとか、卒業生だったとか幅が広がり、誇りも持てるし、だんだんと俺たちも一緒に、という気持ちになってくれるような関係づけを積み重ねることによって、学園を遠巻きに支援する。もちろん、直接的な形で支援する在学生支援、研究開発支援、体育会活動支援ができるような関係づくりが学園との連携を深めることになるのではないかと思っています。学長 会長が言われたように卒業生は玉川のブランドですから、学生たちのひとつのモデルになる存在が卒業生ではないかと思っています。ああいう卒業生になりたいとあこがれの目で見てもらえるのが卒業生だし、そういう意味で大学が人づくりに貢献して、社会で活躍していく。繋がっているわけですから、大学としても学友会と歩調を合わせていきたいし、会長が言ったように学生の研究活動のためにいろいろな形で応援してくれる良い関係ができていけば我々としても嬉しいです。 まさしく先輩に続け、先頭を走っているのが先輩たちだという意識が学生たちにも持ってもらいたいし、我々としても学友会と組んで土壌をより強くしていきたいなと思っています。5のところに行って「お願いします」といったら「ゴルフ場を作るのか。何十万坪いるのか」と。「そうではなくて練習場です」と言うと「そうか。じゃそこの谷だな。」と即決してくださり、練習場を部員の「労作」で作ることになりました。練習場予定地の上は公道でしたから、なんたってゴミがすごい。トラック何台かで綺麗にしました。さらに急斜面で水は出てくるし、きれいにして芝を張らなくてはならない。部員も俺たちが作って残すんだと言っていたのに、どんどん辞めちゃう。困ってオヤジさんに、「工事が遅れていて」と相談すると、「おまえが悪いんだよ。お前に熱意があればできるんだ!」と言われたことが僕の腹の中にどんと座っちゃった。これが私の一つの信念になりました。トップの責任みたいなことを教えていただいた最大の教育だったのかもしれませんね。会長 お陰様で70周年。学友会が同窓会として誕生して以来、卒業生が集う会から会員の幅を広げて学友会に変更して約10年。卒業生と在学生、先生方、ご父母も合わせた玉川ファミリー四位一体です。卒業生として何ができるのか。その場合、鍵になるのは後輩、つまり在学生のために何ができるかということに絞り込み、学友会の「在学生支援基金」を作ろうということになりました。この基金ができると玉川学園創立100周年にむけて四位一体で母校を支える形になってくれればと願って活動しているところです。しか学べないものというと、日本の文化でもあり、その場所に相応しいものというと和風の建物ではないか。大体育館が移転した後に何が必要かとかね、次々に出てきちゃう。会長 夢みる人ですね学長 本当に夢みる人になっちゃうね。あれやこれや考えているうちに、横から小原哲郎が出てきてね、どこにそんな金があるんだと。ああだこうだ考える人は小原國芳一人で十分だとの声も聞こえてくるし。なかなか難しいんだよね。学長対談 │ 小原芳明学長×佐藤敏明会長

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