たまがわ No.159 2023.7.1
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文学部英米文学科理財専攻1989年卒高等部1998年卒株式会社 大志満 代表取締役社長石川県の山中温泉で創業した老舗旅館が大志満の始まり。古き良き伝統を受け継ぎ、1971年開業。以来、加賀料理の伝統と旅館で培った“おもてなしの心”で季節を大切にした日本料理を提供。飲食店・オーダー・管理システム(特許第1704579号)を日本電気と共同開発。労働基準法を遵守(2012年より)民権企業 株式会社 代表取締役社長1958年、創始者 陳建民氏が東京・田村町(現西新橋)に四川飯店を創業。以後移転し1970年に赤坂四川飯店をオープン。1990年陳建一氏(高等部1974年卒) が二代目オーナーシェフとして、テレビ出演を通して四川料理を更に広め、2015年に三代目代表となる。7を整えます。常に「人を大切に」、具体的には従業員が働きやすい環境を構築していきます。 また、観光業としても食材の知識やソムリエの育成などに注力していきます。料理人は、もちろん感覚が大切なのですが、基本の理論も学んで欲しいです。その積み重ねがプロフェッショナルとしての意識向上に繋がると思います。大嶋 私が常に念頭に置いているのは「正しいことをする」です。IBMに20年間勤務して同族経営の大志満に入社しましたが、まず経営改革に乗り出しました。従業員にも企業努力が通じ、資格取得も活発です。例えば、従業員の7割が和食検定を受験、合格率は9割を誇っています。また、専門調理師・調理技能士資格が得られる難しい国家試験があるのですが、この間に2名が合格しました。 有難かったのは、従業員が厳しい中でも、今、何ができるのか?を考えてくれたことです。これは玉川学園の教育理念である『12教育信条』の第二里行者と人生の開拓者に通じることです。第一里行者は命じられるままに歩いたとしても、次の一里は自分の意志で主体的に行動するという意味です。私も他者のために行動したいと常に思っています。 また、コロナ禍で苦しい時に、玉川学園のつながりで多くの方に支えてもらい、同窓の皆さまの温かさを心から感じました。感謝の念に堪えません。陳 料理のある生活、白衣を着て料理を作り、お客様を幸せにする仕事にまい進していきたいです。 将来の目標は、従業員全員が安心して働ける環境を作ることです。四川飯店が右も左もわからずにシンガポールに進出した当時、私はまだ30代でした。一流ホテルで麻婆豆腐を出すのか、などと言われたこともありますが、そこだけは譲れず、2年後にミシュランを頂戴するまでに成長しました。若い人でも世界に出ていける人材を育成しながら、業界全体の労働環境を底上げしたいです。 また、亡父が部会長を務めた学友会の観光・レジャー部会の活動など、先代の思いを大切にしながらさまざまな分野の人や、母校の卒業生とのつながりを深め、若い世代にもどんどん拡げていきたいです。髙岡 高等部から玉川学園に通いましたが、みんなが朝会髙岡 改めて社員に対する思いを感じました。通販の仕組みの改善、デジタル化の推進、ズーム会議やスマートフォンを社内に配付し活用を開始しました。大嶋 コロナ禍で、今できることをやる。という考え方が徹底されました。協力金についてはスキームを作り、関係各所と良好な関係を築いた結果、その取り組みが港区モデルとして認められました。また、自然に応援してくれる人たちが集まってきたのはとても有難いことです。陳 大切なものの価値を再認識しました。健やかな労働環境と人の大切さを根づかせたいと思いました。苦しかった時、レトルトの麻婆豆腐を約40種類ほど購入して研究しました。それが現在の陳建一 本格四川麻婆豆腐の実現に繋がりました。その麻婆豆腐を守りながら、その味と価値を国内外に届けたいです。弊社の麻婆豆腐を守りながら攻め、味とその価値を国内外に届けたいという思いを再認識しました。陳建一氏は本年3月11日にご逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます。で大きな声で歌うのにびっくりしました。ここでは目立たないといけないのだと思いました。大嶋 実は、私は教室で過ごした時間が少なく(学校にいたくなかった)、途中で帰ろうとすると守衛さんに声をかけられ、先生が迎えに来てくださったこともありました。玉川の明るさに尻込みすることもありましたが社会に出て、玉川での学びが活きています。陳 玉川では挨拶を大事にしていますが、経営者となり、お客様にも業者様にも同じように元気よく挨拶し、礼を尽くすという玉川で学んだことを実践しています。両親は玉川の同級生夫婦ですが、夫婦間でも感謝の意を表していて素晴らしいと思っていました。 ひとつの山を乗り越えた今、「これから先が楽しみ」「コロナ禍に入社した社員をどのようにケアしながら育てていくかが課題」と、すでに前を向いて進んでいます。 明るさと、抜きん出た粘り強さを持つ笑顔の素敵な「我ら玉川っ子」を応援しています。我ら玉川っ子 │ 活躍する卒業生大嶋 康典さん 陳 建太郎さん 玉川での学びが活かされた!コロナ禍の厳しい時間で見えたポジティブサイド

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