1978(昭和53)年 米国生まれ。玉川大学学長、学校法人玉川学園常務理 事、玉川学園副学園長。幼 稚 部から高 等 部まで玉 川 学 園で学ぶ。Boston College, Lynch School of E d u c a t i o n( M a s s a c h u s e t t s , U S A ) 学士課程卒業および修士課程修了。University of California, Los Angeles, Graduate School of Education and Information Studies(California, USA)博士課程修了。日本帰国後、玉川大学学術研究所に助教として着任。 教育学部教授、学園教学部事務部長、教育学部学部長、玉川大学副学長を経て現職。3 玉川学園創立95周年にあたる今年度、学長に就任しました。 少子化等の影響で、大学間の競争がより激しさを増している時代の舵取りに、4月から頭を悩ませる日々が続いています。しかし、こうした困難な状況こそ、われわれが教育において何を最も大切にすべきなのかを改めて問う絶好の機会でもあると考えています。私は今一度玉川教育の原点に立ち返り、これからの玉川大学が 歩むべき道を皆さんとともに懸命に模索していく所存です。 國芳はかつて、「すべてが人から出発して欲しいのです。そして 人に到達することを願望とせねばなりませぬ。」と述べました。 教育の始点も終点も結局は「人」であるという彼のこうした教育思想を、私はこの春、改めて肝に銘じました。強い信念を持って玉川教育を体現される先生方、そしてその活動を支える職員の方々、さらには今さまざまな場所で「全人」として活躍される 卒業生の皆さま、こうした方々の存在があってはじめて玉川教育は成り立っているのです。本学の教育の主眼はあくまで「人」であり、この先、玉川大学がどのような進路をとろうとも、「人」を何よりも大切にする大学でなければならない。玉川の丘でのびのびとその力を発揮しはじめた学生たちの姿を目にするたびに、私はそう心に刻んでいます。 さて、今年度の入学式の学長訓示において、私は一画多い夢に ついて触れました。ご存じのとおり、國芳は「大きな夢を」「一つでも多くの夢を持ってほしい」という願いから、この一画多い「夢」という字を一生涯書き続けました。私は今回、書き足された一画には、大きく、多くの夢がまた、他者を思う気持ちから生まれたものであってほしいという願いも込められていたと説明しました。國芳が書き足した「一画」を、玉川っ子が自分の「夢」にも書き足せるよう、これからも玉川大学はその力を育む場所であり続けたいと思います。 どうか末永く、玉川大学をお見守りください。小原 一仁高等部1997年卒業学友会会報 学長 挨拶
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