学友会より

文学部英語教育学科寄附講座 開催報告

日程 : 2023年10月30日(月)
講師 : 若林 秀樹先生 宇都宮大学国際学部客員准教授
題目 : キャリアについて考える「特別」が「当たり前」になる

 若林先生は大学卒業後、公立中学校の英語教師となられました。勤務する地域の中学校に南米からの労働者が居住するようになり、日本語そして日本の生活習慣が全くわからない子供たちが多く通うようになると、独学でポルトガル語を勉強され、日本語教室で日本語を教えるようになります。そして「外国人児童生徒担当教員」になられます。
 日本語を話すことができない子供たちだけでなく、その親も見放すことはできないと、その指導方法を作り上げていく中で、「外国人の子どもの教育の研究を始めたのだけれど現場の情報が欲しい」と、宇都宮大学の教員の声掛けをきっかけに大学の研究を手伝いはじめました。そして安定している公務員の職(24年間務めた中学校教員)を退職されます。大学で6年続いたプロジェクトが終わり、週1回の講義だけとなったところに、企業から声がかかり、「教育向け多言語システム」E-Tra(イートラ)の研究に本格的に取り組むようになり、現在も開発をされています。
 中学校で日本語を話すことができない子供の指導、プロジェクトの立ち上げ、多言語システムの構築等、若林先生はいずれの時も自治体や国の機関への働きかけはご自身が動き、開拓されてきました。常に次のステップそしてキャリアへと繋がっています。 何でも失敗したと思うことはある。今、自分がどの位置にいて、社会の課題の中で何を担当しているかということを考え行動する。やりたいことをやって生きていけるのかも知れない。外国人を支援できない日本人は大丈夫かと思われると、今までの経験を踏まえた講話は、英語を教えることだけでなく、社会、そして人とのかかわりの大切さを持つことの大切さを話された内容でした。

一覧へ戻る