会員より

肥田(柳沢)文子さん(文学部芸術学科美術専攻1970年卒)より

 世界中が、大変な状況になりました。信じがたい現実です。
 日本の23倍の広い国土のブラジルで、教育・経済などの格差で、特に北ブラジルの状況が最悪ですが、首都ブラジリアは一番安定しているそうです。
 私達夫婦は、サンパウロから250Km離れた標高1000mの高原にあるボツカツ市の郊外の自宅にいます。ボツカツ市は国内では第6番目に住みやすいといわれる町で、州立総合大学、医科大学、私立大学がある、人口15万人の町で、コロナウイルス対策について安定した状況です。緊急事態宣言で、60歳以上の高齢者は外出禁止令が出ていますので、私たちは3月中旬から、家の門を閉めて出入り禁止。巣篭もり生活を2ヶ月以上続けています。御近所の友人とは電話かメール連絡のみです。
 日常の食材はご近所と協力して店に注文して家の門の前においてもらい、アルコール消毒をして家に運びます。はじめは不便と思いましたが、慣れてきてきました。
 今年の秋に、大学卒業50年なのでホームカミングに参加するために訪日を計画していましたが中止しました。現在はブラジルから日本往復の航空便数は大幅に減少して、以前と同じになるには、時間がかかると思われます。来年、東京オリンピックが実現したら、訪日をし、その折には玉川学園に行きたいと思っております。
 祖国が遠く感じられる状況で「歌声は丘に響く」のCDは、今まで聞いていたとは違った思いがいたします。私と「愛吟集」の出会いは、港区立麻布小学校4年生の時です。当時の教頭先生は落合聡三郎先生(児童劇作家)でした。岡田陽先生と一緒に行くつかの児童劇の本を出版しています。当時の区立麻布小学校の音楽の授業は玉川の愛吟集を使ってとても楽しい授業だったのを記憶しています。私は小学校以前にも愛吟集の中のいくつかの歌を知っていたのは、いつも一緒にいた叔母が玉川卒だったからです。このような経過があり、今、巣篭もり状態の生活で、この玉川のCDを聞くことによって、とても心が落ち着き、励まされています。海外に住む多くの卒業生も同じように玉川の愛吟集の歌で、励まされていると想像しております。玉川学園で教育を受けた事を誇りに思います。

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